しばらくしてから気付いた
「実はすごい仕事をしてるんだ」
仕事を覚えて仕事に慣れることで精一杯
私の仕事は、鍛造品の冷間コイニングとバリ抜き作業です。コイニングというのは、鍛造された製品をプレス機で、上下から金型を押し付けることにより、製品の歪みを取り、寸法を均一にすることです。
正直言って、この仕事がしたくて大智鍛造所に入社した、という訳ではありませんでした。だから、楽しいとか難しいとか考えるより、まずは仕事を覚えて仕事に慣れることで精一杯でした。
ずっとやっていけるのか
これからやっていく仕事が自分に向いているのか、ずっとやっていけるのか、最初は随分悩みました。自動車の改造が好きなど、部品自体に興味を持っている人にとっては魅力的な仕事だと思いますが・・・。
そんな私が、自分の仕事を嬉しく思った瞬間があります。仕事にも少し慣れた頃、自分が作っている製品が何に使われているかを実際に見て知った時です。
車のブレーキ部分に使われている部品だ、というのは聞いて知っていたけれど、見えない場所の部品なので、ピンときていませんでした。
私すごい仕事をしているんだ
何という車に使われているかを知って、その車が街を走っているのを実際に見かけたとき、初めて、「私すごい仕事をしているんだ」と嬉しくなりました。最初は仕事を覚えるだけで余裕が無かった私ですが、今では少しは余裕も出きて、この仕事を少しずつ追及し出しているのがわかります。同じものだからOKというわけではない、自分の中で追求していくことのできる、すごく深い魅力がこの仕事にはあるのだということが、ようやくわかってきました。
そう感じるようになった直接のきっかけは、最終商品の車を見たからかもしれませんが、そこに至るまでの自分にしてくれたのは、回りの人の影響かもしれません。お父さんから、弟・子供まで、幅広い世代の人たちが、自然であたたかい家族のような雰囲気をかもし出している職場というのは、今時なかなか無いと思います。
そんな社風の中で、自然と仲間意識が生まれたのかもしれないですね。そして、自分でも気付かないうちにそういう人たちに感化されて、同じ方向に向けるようになったことで、次第と自分の仕事を追及できるようになってきたのだと思います。もともと団体生活は向いていないと思っていた私ですが、不思議と居心地の良さを感じます。
自分にはできるかな?と思っていた仕事が、知らない間に引き込まれている所が、大智DNAかもしれませんね。